2018年は、麻しんや、風しんの流行で、深刻なワクチン不足でした。
また、抗体検査やワクチン接種が無料になるとかならないとか…
情報も錯綜し、大変混乱した1年でした。
現在、まつのクリニックでは風邪やインフルエンザの患者様が目立ちますが、
年末年始を各地で過ごされた方、またそうした方と接触してから
概ね2週間が経過し、私が診察の際に神経をとがらせているのは、
初期症状が風邪によく似た二つの疾患(麻しんや風しんです)との鑑別です。
特に福岡県は、風しん感染者の報告が多い県のひとつですから。
風しんの抗体検査(血液検査です)が無料になりましたが、
みなさまご存知でしょうか?
抗体検査の結果、もし抗体がなかった時には、
生涯1度だけワクチン接種も無料に。
現行の実施要領は以下のとおりです。
(福岡県 平成30年11月22日改定通知)
<対象期間>
平成30年4月1日~平成31年3月31日
<対象者>
① 妊婦さんを除く、
妊娠希望者
② 妊婦さん及び妊娠を希望する方の
配偶者(パートナー含む)
③ 妊婦さん及び妊娠を希望する方の
同居者
(妊婦さん及び妊娠を希望する方が、
検査で抗体価が低いことが確認されている場合、
または検査していない場合に限ります)
④ 福岡県に住民票があること
※ただし、ア~ウに該当する方は、対象となりません。
ア)過去に検査を受けたことがある方
イ)風しんの予防接種をしたことが明らかな方(母子手帳などで確認)
ウ)検査で「風しん」の確定診断を受けた既往歴のある方
<お持ちいただくもの>
住所を証明する書類(運転免許証、健康保険被保険者証、住民票など)
<検査できる医療機関>
まつのクリニックでは、
福岡市、久留米市、大牟田市、北九州市に住民票がある方を除き、
福岡県にお住まいの方は抗体検査受付が可能です。
福岡市、久留米市、大牟田市、北九州市はそれぞれ検査実施機関が定められています。
お住まいの自治体でご確認ください。
福岡市保健予防課 092-711-4270
久留米市 0942-30-9730
北九州市 093-582-2430
大牟田市 0944-41-2669
私は、今回の無料検査は不親切だと感じています。
対象となる方で、せめて福岡県にお住まいの方ならば
どの医療機関でも無料検査が受けられる仕組みにしないと、
あまり使えない制度のように思います。
妊娠する、また妊娠を希望する対象年齢(の配偶者)となれば「
働く世代」
平日の、しかも自治体が指定した時間と場所に足を運ぶのも
容易ではないと思うのですが…
平成28年度の感染症流行予測調査によると、
30歳代後半から50歳代の男性の5人に1人、
20歳代から30歳代前半の男性では10人に1人が
風しんの抗体をもっていなかったそうです。
風しんは、かかった本人もきつく、
まれに重篤な合併症を起こすこともあり大変注意すべき疾患ですが、
なにより妊婦さんが感染した場合、赤ちゃんに障がいを残す危険性があります。
一刻も早く、風しんの流行を抑えないといけない。
抗体検査もワクチン接種も、
もっと円滑に実施できるよう配慮すべきだと私は考えます。
例えば、
年に1回の会社の健康診断の際に抗体検査の実施が実現できれば、
それだけで多くの対象となる方が平日に休まず検査を受けることができます。
実際にワクチン接種をご希望でも、
圧倒的に風しんワクチンが不足しています。
福岡県では現状、ほぼ入荷がなく入手困難…
必要な方に行き渡り、
抗体を獲得するのに何年かかるのでしょうか…
私は、検査の結果、抗体のなかった方には
MR(麻しん風しん混合)ワクチンをおすすめしています。
仮に麻しんの抗体のある方が接種しても健康上問題はありません。
ただ、風しんのみのワクチンより価格が3~4千円高い…
また、こどもの予防接種の需要も高まるこの時期(特に2~3月)は
MRワクチンも品薄になります。
海外からの観光客が増え、
また今年はゴールデンウィークで多くの方が
国内外へ旅行されることが予想され、
麻しん、風しんの流行拡大を心配しています…
ちなみに…
まつのクリニックでは、
私も含め、スタッフ全員抗体もっていました
まつのクリニックにも、若い世代が活躍しています。
ボスとして、ほっとしました。
今年は3月31日が
日曜日
無料期間が延長し、実施要領が改善することを願いつつも、
現状ではわかりません。
対象となる方には、この機にぜひ抗体検査を受けて頂き、
大型連休の前に抗体ができるようワクチン接種を!!
まつのクリニック
クマ先生こと院長 松野 勝典